MF 7 奥埜 博亮 Hiroaki OKUNO
1989年8月14日生まれ 171cm / 67kg 大阪府出身
ジェフ市原・仙台スクール→ベガルタ仙台ジュニアユース→ベガルタ仙台ユース→仙台大(2009年2010年2011年/JFA・Jリーグ特別指定選手)→ベガルタ仙台(2012年加入)→V・ファーレン長崎→ベガルタ仙台(2015年復帰)
新境地、というと、少し違うのかもしれない。しかし、奥埜博亮は今季、前方のポジションでも後方のポジションでも、持ち味を発揮するなかでスケールアップを果たしている。
奥埜はもともと攻撃的ポジションの選手で、FWや攻撃的MFで、その技術やフリーランニングを生かしてきた。今季からチームが採用している3-4-2-1のフォーメーションでは、最前線と中盤の間ともいえる“シャドー”のポジションで開幕から出場を続けてきた。
その奥埜は、この終盤戦はボランチでのプレーが増えている。自らの持ち味を「味方と連係して、ゴールにからむプレーができる」と表現してきた彼がこのポジションで出続けていることは、ここ数年からすれば珍しいことだが、意外なことではない。奥埜はルーキーイヤーだった2012年にもカップ戦でこのポジションでのプレーを経験済みであり、2013年途中から長崎に期限付き移籍していた間にも、ボランチでプレーする機会はあった。
今季はまず、JリーグYBCルヴァンカップのグループステージで、三田や藤村とともにボランチでプレーした。「自分がシャドーでプレーしていた経験もあり、前の選手が気持ちよく生かせるようなプレーを心がけました」と振り返ったように、奪ったボールを器用に縦にも横にも散らした。前後のスペースへ的確に走りこむ能力も、この位置で生かしている。
しかし、この秋の“ボランチ・奥埜”は、攻守ともに、それまで以上にできることが増えた。一対一でのボールの奪い合いでは力強くボールを奪い、攻撃では一気に相手陣内深くまで攻め上がる場面も増えた。前節・G大阪戦では、ボランチとしては初めてのゴールを鮮やかに決めた。「ボランチの選手が点を取ることによって、相手も警戒してくれば前の選手もより空いてきますし、チームがどこからでも点を取れるように、もっともっと取っていけたら、と思います」。さらに頼もしい存在となって、奥埜はチームを支えている。