VP EYES

積み重ねたものを信じて
J1残留に望みかけ、石井正忠新監督を招聘した大宮。
相手のどんな戦い方にも動じず、積み重ねてきたことを信じて戦おう!

 明治安田生命J1リーグも終盤戦。仙台は前節アウェイで行われた第31節・G大阪戦はセットプレーで失点するも、その後流れるようなパスワークからMF7奥埜博亮の鋭いミドルシュートが相手GKの手を弾いてゴールへ吸い込まれるなど、攻撃面では今シーズン磨き上げてきた成果を出し1-1の引き分け。J1残留も決めた。

 そして、11月9日、来シーズンも渡邉晋監督が指揮を執ることが発表された。今シーズンは、良い立ち位置を取り続けながら主導権を握ってゴールを目指すサッカーを昨シーズンからさらに進化させ、新たに3-4-2-1フォーメーションを採用。シーズン序盤こそ試行錯誤があったが、徐々に美しいボールまわしによる攻撃が機能し、JリーグYBCルヴァンカップではニューヒーロー賞を獲得したFW30西村拓真を筆頭に若手選手の活躍もあり、クラブ史上初のベスト4進出を果たした。渡邉監督が信念を貫いてチームをつくりあげたことにより、仙台は今シーズン大きく前進した。

 来シーズンさらに大きく飛躍するためにも今節からの3試合は重要だ。全勝して良い流れで新シーズンを迎えたい。まずは今節の大宮戦から勝利を重ねたい。

 大宮は現在J2降格圏内の17位。開幕当初指揮を執っていた渋谷洋樹元監督は、好調だった昨シーズンの継続を図ったが、攻撃の核MF家長昭博が川崎へ移籍した影響もあって極度の不振に陥り、第13節・柏戦後に解任。コーチからの昇格で伊藤彰監督が指揮を執ったが、ここ9試合は勝利無し。今節敗れると他チームの結果次第でJ2降格が決まる可能性がある中、11月5日伊藤前監督の解任と、今シーズン途中まで鹿島の監督を務めていた石井正忠氏の新監督就任を発表した。

 石井新監督がどんな戦いをするかは全く読めない。今節はここまで5ゴールのMF16マテウスが出場停止。チーム得点王のここまで7ゴールを挙げているものの、第22節・新潟戦を境に約3ヶ月ゴールの無いMF7江坂任を中心とした攻撃の形を続けるか、違う選手を抜擢し今までと全く異なる戦い方をするのか予想できない。

 しかし、仙台には渡邉監督が時間をかけてつくりあげた確固たるスタイルがある。相手が引いてきたとしても、前からボールを奪いに来たとしても、的確な状況判断の下、利用できるスペースにどんどん選手が走り込み、MF29古林将太、DF4蜂須賀孝治の両ウイングバックを上手く攻撃に絡ませて決定機を作りたい。相手はカウンター攻撃を狙ってくる可能性もあるが、DF27大岩一貴を中心にリスクマネジメントを徹底したい。

 J1残留に向けて全力で向かってくる大宮は難しい相手だが、これまで積み重ねてきたことに自信を持って戦い、絶対に勝利しよう。