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試合日程/結果

2015 明治安田J1 1st 第1節 モンテディオ山形

<渡邉晋監督記者会見>

<総括>
 まずは、19000人を超えるサポーターに集まっていただき、我々の背中を強烈に後押ししてくれたことに、本当に感謝を申し上げます。
 ダービーとは思えないくらいの、ゴールド一色で、我々のサポーターの声援しか聞こえないくらいの雰囲気を作ってくれたことが、一人少ない状況になっても、我々が勝点3を取り切ることができた一番の要因だと思っています。
 これからもこのような雰囲気をユアスタでは作ってもらって、その力を借りて、我々はユアスタで大暴れしたいと思います。
 ゲームに関しては、前半は非常に入りも良く、割と相手の陣地に押しこんだ状況でゲームを進められたと思います。ボールの動かし方もテンポも良かったですし、相手の背後を突く動きもあって良かったのですが、どうしても最後のところの精度と、あとは思い切りの良さがもう少しあれば、前半のうちに何かを起こせたのではないかという反省はあります。
 後半は、アクシデントもあって一人少なくなった中で、それでも我々は0-0ではなく点を取りに行くということは、私自身も考えていましたし、選手自身もおそらくそういうイメージは持っていたと思います。
 そういったところで、一瞬の隙を見逃さず、一つ取れたこと、そして追加点を取れたこと、そこにけがから戻ってきたウイルソンが関われたことが、我々のチームにとって非常に大きな意味を持つことですし、これから進んでいくうえでは非常に良かったと思います。

■東日本大震災発生からもうすぐ4年というタイミングで、みちのく同士の戦いができたこと、それに勝利できたことについての感想と、今後に被災地の皆さんにどういう試合を見せていきたいのかをお願いします。
 今日のミーティングで選手に「我々は復興のシンボルとしてこれからも戦い続けなければいけない。それをプレーで表現する、披露する絶好の機会だ」という話をしました。試合の前には黙祷もありましたし、本当に我々はあの日を忘れずに、サッカーを通して被災者の方々を勇気づけたい、元気づけたいという活動はこれからも続けていかなければいけないことだと思っています。
 昨年は、アウェイの鹿島で、同じ被災地クラブ同士の戦いとして非常に悔しい思いをしました。ホームでも鹿島に負けてしまいましたし、それを考えれば、今日は、いくらかでも宮城の被災地の方々が、少しでも勇気と元気を持ってくれればと思っています。
 ただし、この一試合だけで何かが変わるわけではありませんし、まだまだ道半ばの復興というものに対しては、ピッチ以外のところでも何か活動を通して、復興のシンボルとして進んでいきたいと思っています。

■一人少ない中で、経験豊富な梁選手とウイルソン選手が仕事をしました。チームが大きく若返った中でのベテランの働きを、どう評価されますか?
 
百戦錬磨の野沢が退場することがそもそもよろしくないことなのですけれども、彼はさっきも反省をしていたので、そこはまた次の試合で取り戻してくれると思います。
 本当に、しっかりとゲームをコントロールする中で、機を見て梁があそこまで飛び出していって、ゴールシーンを演出するといったことは、彼の能力の賜だと思いますし、ボランチという位置からでもゴールに関わりたいという意欲を示してくれた素晴らしいプレーだったと思います。
 若い選手が増えてきた中で、開幕戦ということもあっていろいろな緊張感もあったと思うのですが、その辺もおそらく彼らは和らげてくれたでしょうし、この一瞬だけに限らず、一試合を通して精神的な支柱というか、落ち着きをもたらしてくれた働きには私も感謝しています。
 ウイルソンはようやく昨年のけがから戻ってきている段階で、キャンプでもトレーニングゲームの時間を少しずつ増やしながら、ようやく競争の輪に入ってきたというところでした。まだまだ万全ではないと思いますが、キャンプでは私も今まで見たことのないくらいの厳しいフィジカルトレーニングを彼は自らに課していましたし、それのあらわれが今日の2ゴールにつながったのではないかと思います。
 私もどのタイミングで彼を出そうかという判断は本当にしかねていたのですが、一度ウォーミングアップをしている彼の姿を見たときに、「ぎっ」とこちらを睨み付けてきたので、「ああ、もう、スタンバイできているのだな」と。間違いなく彼がやってくれるだろうな、というところを私自身も感じていたので、本当に彼の能力を信じて投入しました。

■数的不利の中で完封勝利。ディフェンス面での評価をお願いします。
 我々は堅守を取り戻す作業をずっとしてきているので、(失点を)0でおさえるということが何よりも今日の一番の成果だと思っています。危ないシーンも何度かありましたけれども、最後の局面では体を張ってブロックに行くだとか、相手の自由を奪うだとかそういったことはできていましたし、攻めているときのリスクマネジメントでは少し反省点はあるのですが、大方崩れることもなく、しっかりとした組織的な守備というものは、披露することができたので、まずこれを我々のベースにして、これからも進んでいきたいと思います。

■前半は前線がすごく流動的でした。(プロ)一年目の茂木君を使いましたが、ねらいはどのへんにあったのですか。
 攻撃のコンビネーションは、ずっとトレーニングを重ねてきています。攻撃においても守備においても優先順位というものをしっかりはっきりとした中で、それができないときに次はどうしようかということをずっと落としこんできたつもりです。その中で、間で受けるプレーだとかそこからのアイディアだとかは、茂木はキャンプの時から非常に意欲的、積極的に取り組んでくれていましたし、周囲とのコンビネーションも良くなっていましたし、今日のスタメンに関しては私は何の心配をすることもなく、思い切って使いました。
 消える時間が少し増えてきたのがこれからの課題だったと思います。あとはもう少し積極的にシュートを打ってもいいシーンもありましたので、そのへんは彼の良さでもありますから、もっともっとトライをしてほしいと思います。
 ただし、初めてのJリーグの試合で、ましてや開幕のダービーというところで、60分きちんとプレーできたことは、彼にとって自信になることだと思いますし、チームにとっても非常に意義のあることだと思います。

■ウイルソン選手がけが明けで、今日はサブに入れて、どのあたりで使おうとしていたのかということと、退場して一人少なくなったことで、その考えがどのように変化したのかを教えてください。
 時間的な制限は、長くてもおそらくは今日の時間かあるいはもう少し長いか、それくらいだと思っていました。まだ90分のゲームをこなしていないので、彼とも、「まずはトレーニングゲームを90分やってからだ」という話はしていました。
 途中から何かを起こせる選手であることは間違いないですし、時間的な制限と、当然、一人少なくなった状況で、数的不利な状況でも覆すのは彼の能力だと考えて、あのぐらいの時間からの投入というのは、私の判断でした。