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試合日程/結果

2015 明治安田J1 2nd 第10節 名古屋グランパス

<渡邉晋監督記者会見>

<総括>
 お疲れさまでした。まずはセカンドステージの2勝目、少し勝ち星から遠ざかっていましたけれども、アウェイの地で粘り強く勝点3を取れたことを、非常に嬉しく思います。まずはその戦いを、遠く名古屋まで来て後押ししてくれたサポーターに、感謝を申し上げたいと思います。
 あと、ひとつ。(東日本大)震災(の発生)から4年半が経った昨日、また東日本を襲う大きな災害がありました。宮城でも犠牲になった方もおられますし、また避難を余儀なくされた方も沢山おられると聞いています。「そういった方々にも我々がこの豊田の地から勇気と希望を届けよう」という話をして、実際に選手たちもそのようなパフォーマンスをしてくれた選手を称えたいと思いますし、まだ東日本大震災も含めてまだまだ難しい状況、苦しい状況におられる方が沢山いると思いますけれども、今日の一勝が、少しばかりでも心の安らぎにつながってくれればと思っています。

■セカンドステージでの無失点勝利は初めてです。守備陣の評価をお願いします。
 今週のトレーニングで、守備の狙いというものを選手と共有する中で、若干の誤差がありながら今日を迎えていました。ただし、前日のミーティングも含めて、もう一度そこを整理して、狙いを明確にした中で、本当に選手がその狙いを積極的に、意欲的に、取り組んでくれたと思います。
 もちろん相手があることなのですべてがうまくいったとは限りませんけれども、全体を通してそういった守備の狙いをやり通せたことと、あとは最後の最後でやはり体を投げ出すとか、相手の自由を奪うとか、そういった部分での粘りというものは、非常に今日は大きかったのかなと思っています。

■相手が途中で二人同時に選手を交代して形を変え、流れを持っていきました。そこでウイルソン選手を入れて流れを取り戻したのですが、この一人目の交代の狙いを教えてください。
 まず、相手が二枚を代えてきたところで、当然、攻撃にパワーを持つ狙いがあったと思いますし、実際にそのような形で少し押しこまれるシーンがあったと思います。しかしながら、裏を返せば、それをしのいだ先には我々のカウンターのチャンスがあると。そうなったときに、ハモン(・ロペス)も少し疲れが見えていましたし、ウイルソンがひとつおさまったところで、今日の二列目が非常に飛び出してくれていたので、前線で溜めと時間を作ってカウンターに出ていくという作業をより効果的にしようという狙いがありました。ウイルソンも本当に、今日は「らしさ」を出してくれましたし、また我々にとって大きな戦力が戻ってきてくれたな、という感じがしています。

■奥埜選手の決勝ゴールの評価をお願いします。
 ゴールシーンに限らず、今日は一つ守備でのタスクというものが難しい部分でもあったと思いますけれども、前半から非常に明確な狙いを持ってやってくれたと思います。久しぶりのサイドハーフでしたし、その中でどれくらいできるかという、当然の期待もありましたけれども、攻撃の起点にもなってくれましたし、非常に精力的に動いてくれていたと思います。
 ゴール前でのシーンも、得点シーンに関してみれば、ああいうボックスに入っていくプレーは彼の特長ですしストロングポイントなので、非常に粘り強くまた押しこんでくれたと思います。
 ただし、その前の金久保のプレーも、冷静さがあって非常に素晴らしいプレーだったと思いますので、そういった部分も見逃してはいけないと思っています。

■どちらかというと前半が名古屋のペースで、後半が仙台のペースだったように見えました。序盤から仙台が押しこまれたシーンの原因をどう分析されますか。
 ある程度押しこまれるのは想定内でした。押しこまれた理由としてはいくつかあるのですけれども、まずは相手のワイドのところをシンプルに使われたりしたところ、あとは我々がブロックを組んだ分、名古屋さんがボランチも含めて少し我々の前線の方で、要は名古屋さんの後方で、少し数的優位を作ったところで、少しスイッチを入れづらくなったかなというものはありました。
 ただし、それも想定内でしたので、やらせる部分と、入ってきたところでタイトに行く部分というものは戦術の中でも我々のチームでは明確にありましたし、そういった部分ではもう少しラインを押し上げられれば良かったのですけれども、ある程度は想定内でしたので、最後のところはしっかり自由を奪って守り切ってくれたとは感じています。

■名古屋は残り20分で闘莉王選手を前線に上げる作戦もあるのですが、それをやってこなかったのは想定内でしたか。
 もちろん、闘莉王選手が流れの中でも入ってくるというものはスカウティング済みでしたし、今日はそういうシーンが少なかったのですけれども、実際はやってきたとしても、我々には高さのあるセンターバックもいますから、そんなに慌てることはないかなと思っていました。
 ただし、その上がってきた闘莉王選手だけに気を取られるともっともっとラインが下がってしまうので、もしそうなったとしても出どころだけはふさぎたいと思いましたので、村上を投入して実際に少し押しこまれながらでも、一歩二歩でも高い位置でボールを取ろうというようなシーンを作り出せたと思います。
 そういった狙いがありましたので、パワープレーをしてこなかったのかどうかというのは、西野さんの頭の中にあることですけれども、いずれにしても、どちらに対しても、我々の中では対応できる準備はあったと思っています。