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試合日程/結果

2016 明治安田J1 2nd 第12節 ヴァンフォーレ甲府

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。まずは、遠い甲府の地まで大勢のサポーターに集まっていただいたことに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 勝点3を取らなければいけなかったゲームだったと思います。今、正直、けが人も非常に多くて、あるいは今回は累積(警告)で二人も出場できませんし、なかなか厳しい状況がセカンドステージ、もしかしたら今年一年、続いているのですけれども、今日はミーティングで選手に「その、今置かれている我々の状況はチャンスだ。今日は実際に、初めて先発で出た選手、あるいは久々に先発で出た選手が数多くいる中で、彼らにとっては間違いなく大きなチャンス。それはチームにとっても何かを成し遂げることができれば、チーム全体として前進できる大きなチャンスだ」という話をして送り出しました。
 ちょっと不運な失点をしてしまって、ゲームを難しくしてしまった部分はあるのですけれども、前半のうちに、今週ずっとトレーニングをしてきたかたちで同点に追いつけたこと、後半にしっかりと狙いを共有しながら攻められて、チャンスを作れたことは評価をしたいと思います。
 ただし、ロッカー(ルーム)で言ってきたのですけれども、「あとは決めるだけだね、という話は、なしにしよう」と。チャンスがない状況がずっと続くのであれば、それは本当にしっかり考え直さなければいけないのですけれども、どんな相手に対してもしっかりと我々は狙いを共有した中でチャンスを作れていると。じゃあやっぱりそれを決めるのか、あるいは相手に一切点をやらせないのか、というところが、まだまだ我々には足りないというものを、今日のゲームでまた教えられたので、残り5つになりましたけれども、決して下を向くことなく、そういった部分を研ぎ澄ませて次に進んでいきたいと思います。

■明治安田J1リーグ戦初先発の西村選手が初ゴールを決めました。評価をお願いします。

 素晴らしいゴールだったと思います。今週は対甲府というところでのトレーニングをしてきて、まさにあのようなかたちをずっとチーム全体でやっていました。押しこむのは、まずはフリーになれたことが素晴らしいところで、ああいうポジションにいなければ点は取れませんし、あのポジションにどうやっていようかというところは、ゲーム前にも個人的に伝えていたので、そこにいられたことが素晴らしいことだと思います。
 簡単に見えるかもしれませんけれども、なかなか難易度の高いゴールだったと思います。あれをしっかりとゴールマウスにねじこんだところは、彼の成長の証かなという感じはしています。
 それ以外でも、前半にハモン(・ロペス)に出したラストパスだとか、チャンスも作り出していましたし、欲を言えばもっともっとゲームの中で効果的に関わって、チャンスを作り出す、あるいは自分がシュートを打つということを求めていきたいのですけれども、一段も二段も飛ばして一気にそこまでを求めるのも、一年八ヶ月ですか、彼が加入してずっと長いこと見てきましたけれども、大きく成長してくれたと思います。
 ただし、たかだか一試合二試合活躍するのも簡単ではないけれども、それで終わる選手もたくさんいますから、これで満足することなく、また次に向けていい準備をしてほしいと思います。

■ その西村選手は緊張をしやすいタイプですが、監督から試合前に緊張をほぐすような話はしたのでしょうか。

 今日は、ウォーミングアップの前にロッカーを出たところで、彼がストレッチをしているところを後ろから近づいていったら、僕の顔を見てニコッと笑って、「緊張していません」と自分から言ってきたので、大丈夫なのかなと思いました。だから、「俺は何も言っていないぞ」と返したのですが。
 彼も昨年にJ3のJリーグ・アンダー22選抜でもゲームを重ねましたし、途中からではありましたけれども、たとえば埼スタでの試合(明治安田J1 1stステージ第7節)で出たり、Jリーグヤマザキナビスコカップでもスタメンで出たり、といったところで着実に一歩一歩階段を上がっていましたから、そういったものの積み重ねや、あるいは日々の練習での積み重ねが嘘をつかないということを、チーム全体が証明してくれたと思います。
 もしかしたらちょっとは緊張があったかもしれませんが、あのゴールで解放された部分もあるでしょうし、何度も言いますけれどもこれで満足することなく、また向上していってほしいと思います。

■ 後半に藤村選手と梁選手を入れたのは、どういう狙いがあったのでしょうか。

 二人を入れたからといって何か狙いを変えたつもりはありませんでした。もともと、甲府さんが5(DF)-4(MF)であれだけがっちりとブロックを組めば、不用意な縦パスをかっさらわれるのが一番いやですから、とにかく我々はピッチの幅を使って、サイドを起点にして攻めようと。それが実際にできたのが、前半のあのゴールシーンだったと思います。
 そしてそれをより効果的にするために、まず(キム・)ミンテのところでもう少し前を向けるシーンというのは、前半でもたくさんありました。そこでシンプルに、我々のサイドバックに高い位置を取らせて、そこにボールを供給する、あるいは斜めからくさびを入れて、バイタルをこじ開けるといったところが、ミンテもちょっと慎重になってバックパスが増えていた部分があるので、逆に言うと(藤村)慶太はそこがストロングの選手ですから、慶太にはそれをより効果的にできる立ち位置を伝えて、その立ち位置を取らせてからそういったしかけの部分の期待というものを込めて送りました。
 梁は久々のゲームで、いつもは左サイドなのですけれども、少し茂木を引っ張りたいという思いがあったので、右に起用して、彼にも伝えたのは、我々の11人の攻撃における立ち位置というものがありますから、まずはその立ち位置をしっかり取った中で、流動性を持っていこうと。ちょっと背後を取る動きが少なくなっていたので、二列目からそこに飛び出していって、相手のボックスに自分が入っていく、あるいは逆になれば、間で受けたときはボックスに入れ込むようなパスを増やしてほしいというところは期待して、伝えて送りこみました。
 ですので、チーム全体の狙いをより効果的にするために、人を代えて、少し目先を変えてチャレンジをしたというところです。