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試合日程/結果

2017JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ Aグループ 第5節 柏レイソル

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。平日のナイトゲームに、今日も大勢のサポーターに集まっていただきました。心から、感謝を申し上げます。
 ハーフタイムが終わって後半が始まる前に、私の中ではこのゲームは絶対に逆転できると思っていました。なので、勝点1に終わったことは、非常に悔しいです。ただし、このゲームをしっかり、1ポイントでも取れたというものも、一つの大きな進歩なのかなと思っています。なかなかホームで、リーグ戦においては勝てない日が続いていて、そういう中でもルヴァンカップではホームでしっかり勝つことができていて、今日のゲーム、ここで負けて相手に3ポイントを渡すのか、我々が落ち着いてお互い1ずつにするのかというと、最後の粘りで追いつけたというものは、非常に大きなことだと思っています。
 選手にもそのような話をして、「これをひとつ前進ととらえて、残りの最後の連戦の(明治安田J1第11節・)大宮戦に向かっていこうじゃないか」というような話をしました。ユアスタで負けないというものを、このゲームをきっかけに取り戻していきたいと思いますし、そのような流れになっていけると信じています。この引き分けを前向きにとらえて、次のリーグ戦に向かっていきたいと思います。

■柏のスタートの立ち位置を複数想定してゲームにのぞまれたと思いますが、実際はどのくらい相手をはめることができたと感じますか。

 紅白戦をご覧になった方は分かると思いますが、相手が3ボランチでくるのか、ダブルボランチでくるのかというところで、我々の守備のスイッチの仕方を少し細かくトレーニングしていて、相手が4-4-2できたというところで、特にそれに対して慌てることはないと思っていました。なぜなら、それまでのルヴァンカップで戦った大宮、あるいは清水も同じようなシステムでしたから、選手達の中ではそういった相手に対して、どのようにまずは守備ではめることができるのかというものは、イメージとしてあったと思います。
 ただし、前半の早々にちょっと慌てて食いついて、ウイングバックの背後を使われたことで、最終ラインの、特に3バックの3枚が、スライドをこわがった部分があったと思うのです。ただし、前の選手たちは「いや、ここでスイッチを入れられるよ」というような感覚があって、どうしてもそこのズレで、前半の守備はどうしても後手を踏んでいるシーンが多かったと思います。それをハーフタイムで修正して、0-1でビハインドを負ってはいたのですけれども、まずは守備をしっかり整理しましょうと。こういう状況であればかかれるけれども、こういう状況であればかかれないと。確かに、1点をすぐ追いつきたいのだけれども、まずはそこをしっかり整理して攻撃に移っていこう、というような話をハーフタイムにしました。
 実際に、後半はそういったオーガナイズから、流れの中で、あるいは我々が出ていったカウンターというところ以外では、守備で崩されたシーンは皆無だったと思います。最後に、ちょっと我々も立ち位置を変えていった先で、ピンチというものはありましたけれども、それまでに関していえば、しっかりとできた守備のオーガナイズだったと思っています。

■FC東京とのリーグ戦(第10節)でも永戸選手からいいクロスが出ていて、今回もクリスラン選手のゴールにつながったのが永戸選手のクロスからということで、永戸選手の評価を教えてください。

 やはり、ウイングバックでいる以上は、そこでスペースと時間が確実にあると。そういう中では、当然、局面でしかけていってほしいですし、クロスでしっかり終わってほしいですし、あるいはカットインしてシュート、というようなものの最後のプレーというものは期待しています。
 そこで、本当に今は少しずつ、クロスが中の選手と合いだしてきた中で、(永戸)勝也自身もいろいろ工夫をしながら、クロスの高低や、相手のゴール前に落として入れるのかマイナスに入れるのか変化を加えていて、そこが非常に今は効果的になっていると思います。
 途中から出るのは非常に難しいので、最初はちょっと乗り切れない部分があったのですけれども、最後はああやって決定的なシーンを作り出してくれたのは、彼のプレーのおかげかなと思っています。
 これからどんどん研究されてくるので、そこでまた彼がどうやってそれを乗り越えていくのか、個人で乗り越えるのかグループで乗り越えるのかというところを、さらに上回ってくれればと思っています。

■前半はシャドーがかなり引いて5-4-1になっていたところが、攻撃に移ると1トップが孤立していました。後半に結構シャドーが前に出たので、指示はあったのでしょうか。また、シーズンが始まってここまで、攻撃に移ったところでの手応えや課題はどう感じていますか。

 まずは、前半に、冒頭申し上げたように、少し前から来たい前線の3人と、一度背後を使われたことでちょっと臆病になった最終ラインとのギャップがあって、後ろの方はちょっと下げようという判断のもとに、おっしゃったような5-4-1というブロックを組んだ時間があったと思います。
 当然そうなれば、最前線に残っているのは一枚しかいませんから、じゃあカウンターでどうやって出ていくのかという作業には当然なってくるのですけれども、まず優先順位としては一番前を見ましょう、というようなところは、常日頃からトレーニングもしています。
 では実際に、そこに預けて出て行ければいいのですけれども、1トップでいる以上は、ほとんどどのような相手と当たっても、相手が二枚でリスク管理をしていますから、よっぽどのことでもない限り、全体で押し上げることはできないと。では次は違うところを見ましょう、というのが実際にあります。それを、前回(対戦で)日立台でやったときも、ハーフタイム後に整理できて、実際にそれを使うことができたので、そういったシーンが、前半からもっと出せればよかったと思います。
 でもおそらく、ハーフタイムで「ああ、やっぱりあそこが空くよね」というところは全員が理解できたので、前進できるシーンができたのではないかと思っています。
 そうなってくると、ではそこを探す、要はボール保持者と、そこで引き出そうとする受け手がしっかり準備しないといけないので、そういった部分でカウンターの厚みというものは増すのかなと思っています。
 あとは、今までどうだったかという部分とこれからどうしていくかという部分に関して言うと、カウンターで仕留められれば、もちろんベストだと思っています。相手の守備が整う前に。でもそれができなければ、ボールを握ることは、私はOKだと思っています。
 今日も確かに(関)憲太郎まで下げて、後ろで組み立て直すというシーンは確かにあったのですけれども、じゃあ果たしてそれが本当に、出ていってカウンターがやれたのかというところの判断を見ないと、バックパスをしたからだめでしょう、とは言えないのですよね。今日のゲームに関して言えば、もう相手も1-0で勝っていますから、そうそう我々がカウンターで出ていって仕留められるシーンはあまりなかったと思うのです。
 では、しっかりともう1度握り直して、我々も攻撃体勢を取って、効果的なアタックをしかけていく、そういう判断が今はできていると思っています。シーズン当初、当然、なかなか攻撃がうまくいかなくて手詰まりになるシーンが多く、横パスが増えるシーンは確かにありました。でも今は、選手がやっている横パスやバックパスというものは、間違いなくシーズン当初の横パスとは違う種類のものなので、どうかバックパスが増えたからといって、「前に行け、前に行け!」、とはならないでほしいと思います。
 今は本当に、縦パスを入れるための準備をする横パスとかバックパスが増えているのですよ。ぜひ、そういうところを汲みとってもらって、攻撃に移る前の第一歩なんだというような見方をしてもらえると、選手も同じような感覚でやれていますから、ぜひ、見ている方も一緒に、そういう準備を今からするんだというようなところで見てもらえると、非常にありがたいと思います。

■クリスラン選手の評価を教えてください。また、どのような指示をして送り出したのでしょうか。

 正直、入って数分は、あまりスイッチが入っていないように思いました。ゲームに乗り切れていないような部分が見えていたので、もうちょっと、もしゴールを決めるとしたら時間がかかるかなと思っていました。
 彼を送り出したときは、我々の立ち位置は変えずにそのままだったので、最前線でしっかり起点を作ること、そこでシンプルにプレーして、クロスに対して飛びこんでいくこと、そういった話をしました。
 実際に最後にゴールを決めたのもクロスからだったので、そのような役割を果たしてくれたと思うのですけれども、もう少しほかのクロスに対してはアクションを起こしてほしいという部分があったので、そのあたりはもうちょっと、トレーニングを積まなければいけないという感じはしています。
 キャンプからずっと、チームとしてクロスに対してどのような狙いを、というようなところは落としこんでいるのですけれども、いかんせん、キャンプを彼はやりきれていないので、もう少しその辺は時間がかかるのかなと思っています。でも、逆を言うと、それが整理する前の段階でこれだけゴールを決めてくれていますから、もっと量産できるような体勢を、チームとしても作れるのかなと期待をしています。