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試合日程/結果

2018 明治安田J1 第23節 ガンバ大阪

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。先制されて、難しい展開にはなってしまったのですけれども、後半にしっかりと持ち直すことができたこと、ピンチもありましたけれどもしっかりとしのぎきることができたこと、これは選手の成長、チームの成長が、非常に大きいものがあるなという実感がしています。
 やはり素晴らしいサポーター達だな、という思いがすごくありました。G大阪さんがエンドを変えたので、最後に我々が本来であれば突き刺すはずのゴールが、守るゴールになったと。そういうシチュエーションで、おそらくダン(シュミット)の背中から、あるいはサイドから、ものすごい声援をくれて、我々のパワーになったのは間違いないです。ここまでなかなかホームで勝てずに悔しい思いを皆さんにさせてしまったのですけれども、これでふたつ勝てたところで、もちろん満足はしていませんが、少しばかりはサポーターも喜んでくれたのかなと思っています。本当に、感謝しています。
 次は(公式戦が短い間隔で続く)5連戦の4試合目、大会が変わって天皇杯というところに向かいますけれども、この大会もしっかりと目標であるファイナリストを目指していますので、決してこれで浮かれることなく、いい準備をして、まずは次の横浜FM戦に向かっていきたいと思います。

■前半もサイドの1対1から崩す場面がありましたが、後半は特に1対1だけではないスペースを突くなど、連係もいいものがありました。そのあたりができた理由として、何か指示を送ったのでしょうか。

 前半も、1回サイドを変えてしまえば、サイドチェンジをしてしまえば、我々のウイングバックのハチ(蜂須賀)と関口のところには広大なスペースがあると。そこを実際にやれていたシーンが、前半はいくつかしかなくて、おそらくやっている選手たちが、「同サイドでもいけるんじゃないのか」という感覚があったと思うのです。
 そこをハーフタイムで整理して、「勿論その感覚も大事で、行けてしまえばいいけれども、1回サイドを変えてごらん」というような話はしました。実際にそれがやれていたから、サイドアタックがより威力を増したということは間違いないと思います。
 ただそれも、結局は自分たちがそもそもの立ち位置を取ること、相手がそれでどうやって動くのかということを見ること、それがやれるからこそだと思うので、おそらく前半の彼ら選手たちが見えていた景色というものは、おそらく同サイドでもやれるという感覚だったと思うので、決してそれは間違いではないと思います。でも、より威力を増すというところでは、全体のイメージもしっかり整理してのぞむことができた後半もあったということが、おっしゃったようなサイドアタックができたのかなと思います。

■先発した2トップがどちらの点にもからみましたが、今日の前線の組み合わせを選択した理由を教えてください。

 今日のお昼ぐらいまでずっと悩みました。
 それは私にとってとても嬉しい悩みで、今はアタッカー陣がみんな好調で、それぞれのストロングを発揮してくれていると。その中からどのような組み合わせがベストなのかということを、昨日の練習後からずっと頭をフル回転させていろいろ考えていたのですけれども、まずはG大阪さんの最終ラインの特徴を見たときに、2センターバックと我々の2トップを2対2のかたちにしてしまう。そこはもうシンプルに、食いつかせて背後を取ってしまう。それがG大阪さんにとって一番嫌なことだろうというような、私の考えがあったので、あの2人の組み合わせにしました。おそらく、彼ら2人が今一番機動力があって、スピーディーで、しかけというものができるコンビだと思うので、それで実際にそのチョイスにしました。
 ただ、前半に関して言うと、そういうシーンがちょっと少なくて、逆にもうひとつおさめてくれれば、我々の攻撃がパワーアップするという感覚が私の中にはあったので、「ちょっとチョイスを間違ったかな」という思いもあるのですけれども、でも後半の彼らの迫力は凄まじかったですよね。それぞれのストロング(長所)を発揮してくれて、チームの勝利に貢献してくれたと思います。

■前半に守備の(ボールの)取りどころで、ボールを失う場面があったと思いますが、後半に関しては取りどころが良くていい攻撃につながったと思います。守備の面では、後半に改善されたことはありますか。

 いえ、ハーフタイムに言ったのは、「ちゃんと取れているぞ」という話です。全然私は取りどころが悪いとは思っていなくて……悪かったでしょうか。狙いどおりに取れていたと思います。
 ただし、いつ取れるのか、どこで取れるのかということはチームとして共有できていたので、全部が全部取れるとは限りませんし、G大阪さんの中盤が降りて、あるいは遠藤選手が降りて、相手の最終ラインで人数を増やせば、それはもう我々が無闇に取りに行ったら外されるだけなので、そこは自制をしていました。そこは、「スコアを動かされようが、我慢しよう」というような話を、ハーフタイムにはしました。
 実際に、「こうやって狙いどおりに取れているよ」というようなところを、選手には伝えたので、おそらく彼らの中でも手応えはあったと思います。だからこそ後半も、よりアグレッシブにボールを奪いにいけたシーンが増えたと思っています。
 狙いとしては、前半も後半も変えていません。

■これで3連勝となりました。好調の要因をどのように感じていますか。

 結果的に3連勝できているだけで、ひとつひとつの中味を振り返ると、手放しで喜べないことが多いです。冒頭に申し上げたように、ここ2試合は先にスコアを動かされているので、それをひっくり返そうと思うと、それ相応のエネルギーが必要です。できれば、我々が先にスコアを動かして、ゲームをより落ち着いて進めていきたい。そういう意味では、まだまだ改善の余地はありますし、我々の力はこんなものではないと、私は思っています。
 結果的にこうやって3連勝できた、あるいはホームでふたつ逆転勝ちをできたのは非常に喜ばしいことなのですけれども、多分選手も誰一人満足していないと思うので、逆に言うとそれが今の我々の大きな原動力となって、我々の伸びしろにつながっていくのかなと思っています。
 もっともっとやれると、私は感じています。