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試合日程/結果

2018JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ Aグループ 第3節 FC東京

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。平日のナイトゲームに、今日は7000人を越えるサポーターが集まってくれました。本当にありがとうございます。
 (明治安田J1)リーグ戦とはちょっと違う雰囲気で、リーグ戦より少し少ないサポーターの数で、少しふわっとなりがちなのですが、「まずはその空気を、俺達の力で一掃してやろうぜ」という話をして、送りこみました。あとは、この間のリーグの(第5節)長崎戦で、勝ったとはいえ我々の理想とはほど遠い内容だったので、今日はメンバーは違えど、「同じベガルタ仙台のチームとして、この間のゲームを払拭してやろうぜ」という思いを込めて、選手たちを送り出しました。
 非常に、気持ちの入ったプレーをしてくれましたし、戦術的にも素晴らしいものを披露してくれたのではないかと思います。ただ、これからまたすぐゲームが来るので、決して気を緩めることなく、満足することなく、しっかり粛々と次の浦和戦に向けて準備をしていきたいと思います。

■事前にシステムを複数準備していましたが、スタートから3-5-2を採用して、アクシデントがあった後もそれを維持した理由を教えてください。

 まずは、FC東京さんが前回に味スタでやったとき(J1第2節)と同じように、トップ下を置いてくるだろうというような想定をして準備をしていました。その中で我々は、2トップにした方が、アンカーを置いた方が効果的ではないかというような狙いです。
 ただし、いろいろ準備、シミュレーションをした中で、昨晩ですか、ちょっと私の頭の中で、「相手がダブルボランチでも3-5-2でいった方がいいんじゃないか」というイメージが湧いてきたので、今日のミーティングで、「相手がダブルボランチでも今日は2トップで行くぞ」という話をして送り出しました。実際に、ピッチ上では、そこに対してのトレーニングはしていなかったのですが、ボードだけで説明をして、それだけでもあれだけやれるのは、別に相手に合わせているだけではなくて、自分たちがどうやってやれば攻撃でも守備でも主導権を握れるのかということは整理できているからこそなのかなと思います。
 アクシデントがあった後でも、しっかりとやれることは何となく絵には描けていたので、システムを変えずにそのままでいった方がいいだろうと。最後は、3-0まで行ったので、3ボランチの負担を減らすために、元の3-4-3に戻してゲームを閉めた、という流れです。

■相手の久保選手がキーマンかなと思っていたのですが、前半は中野選手とマッチアップすることが多く、中野選手とタイプ的に似ているのかなと思い、それですごくボールが取れて、後半はかなり中野選手から逃げていたなという感じはあったのですが、久保選手対策はうまくいっていたのではないでしょうか。

 別に彼の対策はしていません。久保選手と試合をしているわけではなく、FC東京さんと試合をしているので。
 もちろん、キープレーヤーだと思います。実際に、彼にボールが入ったときには推進力もありますし、いろいろなアイディアを持ってしかけられる、そういうボールの持ち方ができる、非常に敵としてはやっかいですし、純粋にいちサッカー人としてみれば、16歳でこんなことができるのか、という驚きは、今日はありました。
 でもそれは、チーム全体として防げた部分と、あとは実際にたぶんやられた部分もあるので、そこはもう一度映像も見て、整理できたらいいかなと思います。
 ただし、願わくば、後半45分の中でも、もう少し彼を消すことができれば、チームとしてももう少し相手陣内でプレーすることができたと思いますが、そこは全体として反省できればと思います。

■今季初の複数得点でしたが、どんなところが得点に結びついたと感じていますか。

 ひとつは、思い切りの良さではないでしょうか。
 これまで、リーグでもルヴァン(カップ)でもシュート数が少なくて、トレーニングの中でもちょっときれいにやろうとしている部分も見受けられたので、今日はミーティングでも、「とにかくシュートを打て、脚を振れ」という話はしました。
 実際に、それが打てるような選手もそろっていますから、その部分は大きな期待を寄せていて、ハチ(蜂須賀)の2点目、チームとしての3点目は、見たことがないのですけれども、それは本当に思い切りの良さがあったからこそで、そういう意識が大事だと思いました。
 あとはハチの1点目、チームとしての2点目は、本当に狙いどおりに崩せたシーンだと思いますので、チームの全体像もそこに乗っけることができたのかなと思います。

■試合を通して押しこんでいたと思いますが、特に富田選手がアンカーに入っていた時間は、まったく危なげなくチャンスも作っていたと思いますが、その評価をお願いします。

 さすが、の一言です。
 この間の長崎戦は、戦術的な理由というよりは、野津田と奥埜のボランチが調子がいいからこそ使った、ということがあります。そして、(富田)晋伍を、けがではなくリーグ戦で(先発から)外したのは、おそらく私が監督になって初めてなので、そうとう彼は悔しかったと思います。でも私は、そこであえて彼に説明はしていませんし、いずれあいつの力が必要になるだろうと思っていました。
 彼も、悔しい思いをぐっと飲み込んで、一人のキャプテンとして素晴らしい振る舞いもしてくれました。今回の起用にあたって、まずはアンカーではなくインサイドハーフで行くこと、そして時間の制限を設けること、そういういろいろな話をする中で、彼は一言「やります」と力強い言葉を言ってくれたので、やれるだろうと思っていました。逆に、私は彼にその一言で勇気づけられたくらいです。
 実際にやっぱりあれくらいやってしまうので、さすがです。やはり、富田の存在は大きいなと、あらためて感じました。