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ライズ・コンサルティング・グループがカンファレンス「スポーツを通じたSDGs~サポーターや地域社会との価値共創~」を開催

掲載日:2022年6月8日

5月13日、ベガルタ仙台のサステナブルパートナーである株式会社ライズ・コンサルティング・グループさまが、「スポーツを通じたSDGs~サポーターや地域社会との価値共創~」と題したカンファレンスをオンラインにて開催し、ベガルタ仙台からは代表取締役社長 佐々木知廣が登壇し、同社の取り組み事例の一端を紹介。また、登壇した株式会社国際開発センターSDGs室の岡本麻代さま、ライズ・コンサルティング・グループCEOの北村俊樹さまとともに、知見や課題の共有を行い、有意義なカンファレンスとなりました。

基調講演「SDGsセミナー ~SDGsを経営に活用する~」より

カンファレンスは、株式会社国際開発センター(以下、IDCJ)よりSDGs経営コンサルティング、セミナー講師派遣、開発途上国におけるSDGsビジネスサポート等を展開するSDGs室所属、岡本麻代さまによる基調講演でスタートしました。

株式会社国際開発センター 岡本麻代さま

まず、SDGsに取り組む理由を、「企業価値向上」「サプライチェーン対応」「売上向上」の3つに分類し、なぜ企業にとってSDGsが重要な課題になっているかを詳しく説明いただきました。

 

 

その上で、SDGsを実践するための具体的な方法として、大きく「A 過去の実績を整理する」「B 将来像を描き目標を設定する」という2つの工程を紹介し、さらにその2つをさらに詳細なステップに分解する手法を提示していただきました。

 

 

ここで改めてSDGsの概要にも触れ、SDGsにおける「持続可能な開発」について、「将来の世代が、そのニーズを満たす能力を損なうことなく、現代のニーズを満たすような開発」であると説明をいただきました。

 

 

いよいよ「A 過去の実績を整理する」のステップへ。SDGsにおけるゴールとターゲットについて触れ、17のゴールと169のターゲットが設定されている中で、「企業であればターゲットレベルで考えた方が、各企業の活動と結びつけやすい」と解説がありました。
こうした解説に続いて「A」としては各企業の事業、実績や強みが、SDGsが掲げる169のターゲットのどれと紐づくかを特定し、SDGsマッピングしていく手順を教えていただきました。

 

 

次に「B 将来像を描き目標を設定する」手法の解説に移り、まず「2~3年後ではなく、20年後~30年後を見据えた長期視点が重要だ」と強調し、「あるべき姿ではなく、ありたい姿を目標に据える」ことを示しました。
その上で、優先的な課題のリスクと機会を特定し、適切な対応をすることが自企業の持続性につながると述べ、その将来像に向けてどんな取り組みをするのか、それをどんな指標で評価するのか、などの手順を解説してくれました。

 

 

最後に「SDGsは慈善事業ではないので、単なるラベル付けや本業とかけ離れたアプローチは推奨できません」と呼びかけ、自社としてありたい姿、目指したい目標に向けてどう進めていくか、を具体的に考え行動するプロセスが重要だとお話いただきました。

パネルディスカッション1「SDGsへの取り組みは生存戦略」

基調講演に続き、岡本さま(以下、岡本)、ライズ・コンサルティング・グループ北村さま(以下、北村)ベガルタ仙台佐々木(以下、佐々木)によるパネルディスカッションに移りました。

岡本)佐々木さまにお聞きしますが、ベガルタ仙台がSDGsの優先ゴールに3、4、11、12、17の5つを設定した経緯について教えてください。

株式会社ベガルタ仙台 代表取締役社長
佐々木知廣

佐々木)SDGsに取り組むことになった約1年前の社内の反応として、SDGsを知っていても、何のために取り組むのかの理解が進んでいませんでした。どこから手を付けて良いか分からなかった状況の中、スポンサーであったライズ・コンサルティング・グループさまに相談をしたところサポートを快諾していただき、そこからベガルタ仙台としてSDGsへの取り組みが加速しました。

当クラブはフットボールクラブではありますが、その実態は「中小企業」であり、新たな仕事を始めるように受けとられては上手くいかないというような思いがありました。だからこそ、なぜやるのか、という納得感の醸成や一人ひとりにとってSDGsを「自分ごと化」することを重視して社員に語りかけて落とし込んでいきました。

また、仙台・宮城は高齢化が全国的に群を抜く速さで進行しており、お客さまの年齢層が上がり続けるとお客さまが減っていってしまうという危機感を募らせておりました。そのため、SDGsへの取り組みはベガルタ仙台にとっての生存戦略のひとつであり、そこからよりクラブ全体としての意識も大きく変わっていったのではないかと思います。優先ゴールについては当クラブにおける事業・アセットの強みと地域のニーズの大きさを考慮して実施項目のマッピングを行いながら、5つの優先ゴール設定をした経緯があります。

パネルディスカッション2「幸せであるかどうかが最大の論点」

岡本)北村さまにお聞きします。御社でSDGsの取り組み、あるいはクライアントへの関わり方で念頭に置いていることについて教えてください。

ライズ・コンサルティング・グループCEO
北村俊樹さま

北村)当社がSDGsに取り組む意義としては、経営コンサルティング業として、自社の経営理念として、上場を目指す企業としての3つの意義があります。

まず、経営コンサルティング業として、さまざまなイシュー、経営課題をお客さまといっしょに徹底的に考え抜くわけですが、世の中で解くべき最大のイシューは”幸せであるかどうか”であり、その他の論点は、幸せを築くためのサブイシューであると考えています。ベガルタ仙台さんの例で申し上げると、サッカーを介して関わる人々を幸せにすることが最大のイシューだと思います。このように、SDGsの各ゴールは幸せであり続けるために持続的に情熱を注げるようにするために設定するものだと思います。

当社は経営理念として「Produce Next:次の未来を創造する」を掲げています。支援する企業とともに新事業や未来を作るだけでなく、次の世代や時代の潮流を作っていきたいという思いが込められています。これが基調講演で説明のあったSDGsの持続可能な開発と親和性が高く、経営理念の実現とSDGsへの取り組みが合致していると思います。

最後に、来期の上場を目指している企業として、上場するということは、パブリックカンパニーになるということ。社会の枠組みに沿って責任ある行動が求められるので、SDGsに取り組む意義は大いにあると考えています。

これら3つの意義を前提に、やりたいこと・やるべきことは何か(ミッション・ビジョン)、やれることは何か(Capability)、やりたい人・やってくれる人はいるかの3点で考えて、優先的ゴール8、9、17を設定するにいたりました。

9については、支援先の企業とともに新規事業に取り組むことや、New Techを活用したコンサルティングを行うことで、新しい産業、新しい世界を作りたい、という思いです。17については、一企業では限界はあるが、パートナーとつながることで、新しい世界を作っていくつもりで、スタートアップ、フリーランスとの連携など新たなプラットフォームを活用していこうと思っています。そして8は、私自身一番やりたいことで、Capabilityの最大化を目指し、きっかけや制度作りを進め、我々と関わる人々には、より良い人生を送ってほしいという思いから設定しました。また、8については、ベガルタ仙台さんとも協力して、宮城県内のとある自治体と連携して地域活性や経済成長に結びつけていきたいと考えております。

パネルディスカッション3「自分ごと化を進めるための仕掛けとは」

岡本)ベガルタ仙台さんのSDGs方針策定に当たってそれぞれの立場からの具体的な取り組みについて教えてください。

佐々木)ライズさんは、ロジカルな方法を押し付けるような支援のやり方ではなく、我々の持っている強み(アセット)を尊重した上で、方向がぶれないように補足的にアドバイスをしていただきました。「やらされ感」を持たせずに取り組めたのは、ライズさんの功績が大きいです。

北村)ベガルタ仙台さんの経営方針と合致しているかどうかを念頭に、クラブのオリジナリティ、強みが何かを尊重して、第三者の立場ではありますが一緒に汗をかくことを意識して支援しました。

岡本)ベガルタ仙台さんがSDGsの取り組みを推進するために社員がクレドカードを持っているとお聞きしました。

佐々木)クレドカードとはいわば「お約束カード」です。クラブとして決めたSDGs重点目標とは別に、各社員が個人としてやりたいことはマイクレドとしてカードに書き、常に携行することにしました。これはSDGsの取り組みというよりは元々はCSの取組みツールで、各自が違うことを書くことで社員の自分ごと化を加速させたいと思い、始めました。

岡本)ライズさんとして優先的に取り組みたいこととは何でしょうか。

北村)社員には、「一番近くにいる人を幸せにすることに情熱を注ぎ、それが広がれば社会の発展につながると信じていこう」と話しています。そのためにも目の前のことに丁寧に取り組み、メッセージを発信するだけでなく自ら進んで活動していきたいと思います。

岡本)最後にお二人にお聞きしますが、SDGsの取り組みを通じて、世の中の変化を感じたことについて教えてください。

佐々木)エコという言葉が中心の時は、何かを削減しなければ、という思いが強かったですが、「LIMEX」の活用を機にアップサイクルという言葉を知ってから発想が変わりました。当社でもLIMEXという石灰石を主原料とした素材を、カップやポケットスケジュール等の印刷物に使うようになりました。これは使用後に集めて机やイスなどに作り直すなど、何度もアップサイクルが可能と聞いています。

北村)最近、有名な近大まぐろを扱うお店で食事をし、そのお店がSDGsの14番のゴールを目指していることを示すカードを配っていて、SDGsがだいぶ身近になったと感じました。

パネルディスカッション4「スタジアムを中心にSDGsを街のうねりに」

司会)オンラインカンファレンスの視聴者から佐々木さまに質問ですが、クラブとして地域やサポーターへのクレドを展開する予定やベガルタ仙台がSDGsに取り組む価値について教えてください。

佐々木)これからもスタジアムを中心にSDGsを発信し続け、街のムーブメントにできればと考えています。

北村)ベガルタ仙台さんの価値は東北に存在するクラブであること、震災からの復興のシンボルという2点が価値であると考えます。私自身、幼少期からサッカーに親しみ、多くのスタジアムにも足を運ぶことでサッカーが生み出す感動や幸せを肌で感じてまいりました。当社としても、ベガルタ仙台さんが進めている取り組みの姿勢に共感し、パートナーシップを組ませていただいた経緯もあり、今後も一緒にSDGsに向けて実績を積み重ねていきたいと思っております。

佐々木)ベガルタ仙台は市民クラブであり、地域の声を聞きながらチーム作りをする姿勢が問われる以上、防災は無視できません。また、スポーツが与える感動が、北村さまも仰っている幸せにつながるはずで、これがSDGsのプロセスを経て実現していくことになると考えています。
将来的には、「この街であなたが残したいものは何か」を問われた時に、「ベガルタ仙台」と言ってもらえるようなクラブにしていきたいと考えています。

 

1時間半におよぶカンファレンスは、上記のように充実した意見の交換、新しい知見の提供や共有が行われ、有意義な時間となり閉会となりました。