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12月11日(月)、森山佳郎監督就任会見を行いました。

掲載日:2023年12月11日

12月11日(月)、森山佳郎監督就任会見を行いました。

森山佳郎監督あいさつ(抜粋)

みなさんはじめまして。2024年ベガルタ仙台の指揮を執ることが決まりました。本当に、現在は楽しみでしかない状態です。チームのことをいろいろと考えながら、来シーズンを楽しみにしております。ベガルタファミリーのみなさまに、喜んでもらえるようなシーズンにしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

就任の決意ということで、3つの柱を述べさせていただきます。ひとつは宮城・仙台のみなさんに必要とされ、愛されて、そして応援されるクラブにしていかなくてはならないと考えています。そのために、クラブ側の我々こそが、宮城を、仙台を、ベガルタを愛して地域に貢献し、サポーターとスポンサーのみなさんのために全力を尽くしていきたいと思っています。
サッカー面では、ひたむきで最後まで戦う姿勢を示していき、サポーターの心を動かすような、感動してもらえるような試合をしていきたいです。ピッチ内外で子どもたちの模範や憧れの存在になる、あるいは高齢の方を元気にする、応援してくれるみなさんに喜んでもらうなど、ベガルタ仙台の存在価値を上げていきたいと思っています。

ふたつめはベガルタ・グロウン(ホームグロウン)です。まだまだ仙台のホームグロウンの数は少ないと思っているので、時間はかかると思っていますが増やしたいと考えています。仙台を選んでくれた選手たちを鍛えて、育てて、成長した選手が増えてチームとして勝てていけるように、選手育成をしていきたいと思っています。またユースとの連携もはかり、良い選手がいたらトップチームと一緒に練習させるといったことも行いながら、宮城だけではなく、東北にいるサッカー選手がベガルタ仙台に憧れて来てくれるように育成していきたいと思います。

3つめは仙台がJ1に必ず上がっていかなくてはならないということです。それには今シーズンの16位という結果を謙虚に受け止め、しっかり分析し、目を背けずに改善しないといけないと思っています。来シーズンはプレーオフ圏内に位置しながらJ1を見据えた戦いをしたいと思っています。ただし、自分のスタンスとしては大きな目標がありながらも、目の前にある一戦を全身全霊で準備して試合に臨み、そのテンションを維持しながらシーズンを戦っていきたいと思っています。

(次は)目指すフットボールです。まず選手の個性を伸ばし生かした、選手が躍動していくサッカーをしたいと思っています。例えば若手の選手はシーズン中は試合に出る時間が少なくなったり、練習時間が確保できないことが多くあります。こういった状態を改善したいと思います。近隣には大学やJのクラブがありますので、連携をはかり若い選手やユース選手には練習試合などの機会を多く与えたいと考えています。また、ベテラン選手であっても関係ないです。若い選手に走り勝って、自分の武器をチームの勝利に貢献してほしいです。選手が生き生きした、見ている人がわくわくするサッカーがしたいです。
次に、アグレッシブなサッカーをしたいです。仕掛けるというより、狩りにいくというか、気迫と迫力と強い意志をもった戦いをしたいです。今シーズンはややカウンターや相手の背後への動きが少なかったと思っているので、そこは強く出していきたいと考えています。ただし、技術の高い選手もいるのでボールを保持展開していくことも使いながら、バランスをとった戦いをしたいと考えています。例えば仙台は涼しいので夏場の試合ではプレスなどでエネルギーを消耗することもあるので、こういう所はバランスをとって戦いたいと思います。
3つめは走る、戦うベースを上げ、粘り強く勝ち点をもぎ取っていくということです。今シーズンは前半の早い時間帯での失点や、後半の最後の最後で点を決められ勝ちを逃す試合がありましたが、来シーズンは逆に終盤の最後の最後に点を取って勝ち切り、粘り強さを出して勝ち点を取る試合を増やしていきたいです。

質疑応答(一部抜粋)

これまで長く育成年代の指導をしてきましたが、今回トップチームの指揮をしようと思った理由、なぜそれがベガルタ仙台だったのかについて教えてください。

広島のユース指導を13年、続いて日本代表のユース指導を11年やっていた中で、長く在籍して周りからの評価もいただいており、居心地も良くなっていく中で、自分自身がこのままでは成長できないという思いがありました。自分は常に、選手に人生は選択の連続で、その時は自身を成長させる方を選べと。安易な方法の選択や楽しい、守られた環境では良い選手にはなれないと指導してきており、自分は指導者としてこのままではいけないという思いが強くなり、今年の夏ごろに日本代表のユース指導を辞める決心をして、トップチームを指揮する道を目指すことにしました。なぜ仙台かということですが、自分は熊本で育ち、熊本も森の都と呼ばれておりました。その後に広島に行くのですが、首都圏から離れたところでビッグクラブに挑むスタンスが自分に合っていると思っています。また、これまでユースの大会などで仙台に来る機会も多く、とても良い所との印象がありました。それと、以前教え子の野津田選手(現サンフレッチェ広島)が仙台に在籍していた時、仙台の試合も見ていました。そういった事もあって仙台に親しみを感じ、仙台というクラブが身近に感じられ、自分の育ってきた環境も考えた時にここでやりたいなと思いました。

若い選手を育てて結果も求めていくということですが、ビジョンはありますか?

長期のビジョンはあります。しかし、私が来シーズンで良い結果を残せなければそのビジョンもなくなるので、目の前の一試合をしっかりと、良い試合を積み重ねて積み上げて、みなさんが納得して来年も森山監督だろう!と、そう思っていただける仕事をしなくては長期ビジョンはないものと思っています。ですが、長期ビジョンには自分も関わっていきたいと思っています。

昨年の結果を謙虚に受け止めて来シーズンをやっていくという事ですが、今仙台は低迷しています。現時点での要因や改善のポイントなどどう見られていますか?

今後選手と共有することですが、攻撃の際に相手ディフェンスの背後やゴールに向かっていく迫力や、ピンチの時に死ぬ気で全員が戻ってくるスプリント、最後の局面で体を張って失点を防ぐといったプレーだったり、点を取るためのバリエーションだったりと、結果にたどり着く道筋は増やしていきたいと思っています。

来シーズンの戦力構想、選手の編成の構想などはおありですか?

選手の補強面はスタッフを信頼しています。ですが、もともと今いる選手のポテンシャルもあると思っています。有名選手を高額で補強できるクラブではないので、若いポテンシャルのある選手をしっかり育てて、その選手が試合に出て、育成した選手の割合がチームに増えていくという、地道な作業になっていくと思っています。これは自分の得意な事でもありますし、何とかこれでいったぞ!という風に言えたらと思います。

目指すチームのベースやサッカーの構想はありますか?

ボールを奪った瞬間からゴールを狙っていきたいです。J2のほとんどのチームがかなり守備の構築は徹底していると思います。ゆっくりボールを保持していても点は取りにくく苦労すると思っています。ですので、ボールを奪った瞬間に相手の守備が構築ができていないうちに攻め切ることがかなり重要な部分だと思っています。またカウンターだけではなく、ボールを扱える選手も多いので、相手を動かして足を止めて隙をついたり、しっかり攻撃を構築して相手を崩すことも必要なので、こういうサッカー!というより、相手を見ながら自分達の良さを出し、カウンターもできる、遅攻といったしっかりボールを動かすこともできるといったバランスの良いサッカーをしたいと思います。