NEW HERO

MF 15 吉尾 海夏 Kaina YOSHIO

1998年6月28日生まれ 168cm/63kg 兵庫県出身
N2SC→横浜F・マリノスプライマリー→横浜F・マリノスJrユース→横浜F・マリノスユース→横浜F・マリノス(2016年/横浜F・マリノストップチーム2種登録)→ベガルタ仙台(2019年加入)

初ゴールで残した足跡。
次は勝利につながるゴールへ。

 よく走り、よくボールを受け、そしてよくパスを出す。20歳の吉尾海夏は仙台のスタイルの中にあって既に存在感を示しているが、本人はその存在証明として、ゴールを強く求めていた。「ゴールを取ることで、サポーターに認めてもらえると思うので」。攻撃的MFとして、決定機に直結するパスやシュートを最大の見せ場としてきた吉尾。秘めた実力に疑いはないだけに、プロ初ゴールという足跡を残したいところだった。

 仙台加入後、まずはJリーグYBCルヴァンカップで出番をつかみ、グループステージ第1節・鳥栖戦で今季初勝利に貢献。カップ戦で自信をつけると明治安田生命J1リーグでも先発の座を手にして、J1第6節・鳥栖戦ではクロスでジャーメイン良の先制点をアシストした。

 「アシストというかたちで勝利に貢献できたことは良かったけれど、まだまだこんなものではないというか…もっとゴールに絡むプレーをしないと」。その鳥栖戦では自身の初ゴールに近づいた場面もあったが、シュートがポストを叩くなど、その後も惜しい試合が続いた。

 そして、第13節・清水戦で、待望の瞬間が訪れた。1-2で迎えた37分、石原崇兆のシュートのこぼれ球を受ける位置に走りこむと、「シュートのことしか考えていなかった。蹴った瞬間、入ったという感触があった」という左足からのシュートが見事決まる。プロ初ゴールは、試合を振り出しに戻す貴重な一撃だった。

 だがこの試合は最終的に3-4で敗れ、吉尾は自らの得点への喜びよりも、敗戦の悔しさが上回った。「次は、チームを勝たせるゴールを決めるように」。チームを苦境から救うゴールを、今の吉尾は求めている。