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　今シーズン、神戸から完全移籍加入したMF松下佳貴。チーム始動からキャンプ中、そして、開幕後しばらくは仙台のスタイルになかなかフィットできず、苦しい日々を送ったが、懸命の努力でコンディションを上げ、戦術理解を進め、4月20日の第8節・鹿島戦でリーグ戦初先発出場、その後、ボランチのレギュラーを奪取した。

　松下の長所は何と言っても類い希なるパスセンスだ。中盤から前線へと繰り出されるスルーパスや縦パスは非常に正確で意外性もあり、多くの決定機を演出している。とりわけ5月12日の第11節・広島戦では、相手DFラインの背後に抜ける選手へ浮き球のパスを何度も通し、あわやゴールという場面をつくり出した。

　そして、ゴール感覚にも優れている。広島戦では試合終了間際に石原崇兆のパスを受け、逆転ゴールを決めた。「石くんが相手の逆を突いて自分に良いボールをくれました。ゴール前だったので、トラップしてシュートすることしか考えませんでした」と振り返った通り、見事なトラップからの左足でのシュートは技術的にも非常に高い。前節・清水戦でも永戸勝也の意表を突くグラウンダーのコーナーキックから左足を振り抜き、技ありの先制ゴールを決めている。

　今の仙台には欠かせないものとなった松下の攻撃センス。ぜひともアシストやゴール等、得点に絡む働きを見せて欲しい。