
自信も、悔しさも、糧にしたい。ベガルタ仙台は明治安田J2・J3百年構想リーグ地域リーグラウンドEAST-Aグループの全18試合を終え、首位の座に就いた。この成績をおさめた背景には、様々なチャレンジがあった。昨シーズンまでの課題を解決するためのチャレンジとして、3-5-2を基本とした新たなシステムでプレー。さらに、様々なタイプの選手が起用され、時には本人にとって新たなポジションでプレーしたこともあった。そして選手同士の組み合わせについても、多くのパターンが試された。時には思うような試合運びができなかったり、プレーの幅を広げる上での壁にぶつかったりしながらも、選手達は結果を出す中で成長。ただ結果を出したのではなく、競争しながら、チャレンジしながら、そして成長しながら結果を出してきたことに、意義がある。一方で、このリーグ戦を締めくくったホームでの第18節では、横浜FCに0-3で敗戦。少しでも綻びが見えれば突かれるという勝負の怖さ、悔しさも思い知った。
森山佳郎監督は横浜FC戦後のホーム最終戦セレモニーで、「この悔しい悔しい敗戦を、来週にここで行われる試合にぶつけて、『この悔しい敗戦があったからチャンピオンになれた』という報告ができるようにがんばりたい」と強い意気込みを示した。地域リーグラウンドで得たことのすべてを、これから始まるプレーオフラウンドにぶつけたい。仙台の強みである、守備では激しいチャレンジと素早いカバー、攻撃では鋭くゴールを目指す縦の攻めと幅を使った攻めの使い分け、そういったものを、ここからの2戦で存分に発揮することが、タイトルへの道を切り開く。
第1関門となる第1戦で対戦するのは、EAST-Bグループのトップである甲府だ。今大会のJ2・J3全チームで2番目に少ない総失点13という数が示すように、守備が堅い。3-5-2や3-4-2-1でスタートしながら、5バックの形で堅陣を築く場面も少なくない。相手が動くスペースを消し、確実に囲い込んでのプレッシャーでボールを奪い、FW10内藤大和やFW14藤井一志ら推進力のある選手を中心とした速攻につなげるスタイルだ。攻撃ではシンプルなカウンターもあれば、細かい組み立てで両サイドのウイングバックをフリーにしてクロスに上げる形へ持っていくこともできる器用さもある。MF20遠藤光ら最終ラインの一枚が大胆に攻撃参加して攻撃に変化を加えて取ってきたゴールも少なくない。MF7荒木翔らの正確なキックによるセットプレーにも注意が必要だ。
仙台としては、まずは持ち前の守備をDF5菅田真啓やDF44井上詩音を中心にもう一度引き締めて、多彩な攻撃を繰り出して甲府の守備ブロックを崩したい。今大会ではチームトップ6ゴールのMF27岩渕弘人を筆頭に、よく走って相手のスペースをこじ開ける攻撃が機能。DF2五十嵐聖己やDF42石井隼太のクロスからの厚い攻撃も光っている。また、ドリブラーのMF15南創太、高さのあるFW20中田有祐、鋭く前進するFW40安野匠ら若手選手達の台頭も心強い。様々な武器で相手を揺さぶり、空いたスペースにパスやシュートを打ちこんで、次の舞台へ導くゴールを決めたい。
このプレーオフラウンドもBREAK THROUGH は続く。これまでの経験も財産として生かし、未来を切り開け。