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2020.11.14<マイナビ>なでしこ1部 第17節 浦和戦

11月14日(土)ユアテックスタジアム仙台にておこなった2020プレナスなでしこリーグ 第17節 浦和レッドダイヤモンズレディース戦の試合風景、監督・選手コメントをお届けします。

 
今季のホーム最終戦となった今節、1121名のみなさまにご来場をいただきました。


“ベガルタ”の名を背負い戦う最後のホームゲーム。前節リーグ優勝を決めた浦和レッドダイヤモンズレディースに対し、立ち上がりからボールを回される展開に。9分に失点をし、その後も守備の時間が増え、攻撃のギアを上げることができず。


後半に入り2失点目を喫したところで、投入されたのは先日引退を表明した有町選手・小野選手。スタンドからは暖かい拍手が両選手に贈られました。


苦しい状況の中、ゴールを手繰り寄せたのは有町選手。自陣右からのボールをペナルティーエリア内で左足を振りぬき豪快にゴールネット揺らし1-2。同点ゴールを目指し、最後まで攻めの姿勢を貫きましたが反撃及ばず。悔しい敗戦となりました。

 



<辛島啓珠監督>

◆試合総括
“ベガルタ”としてのホーム最終戦で、優勝の決まった浦和を相手に是が非でも勝ち点3を取る意気込みで臨みました。先制点を早い時間帯に与えてしまい、相手の技術の高さに対しボールを奪い切れず、相手に圧された前半でした。後半に入り2点目を取られ、苦しい状況となってしました。その後も決定的なピンチを防ぎながら終了間際に有町が1点取り返したことがチームを勇気づけたと思いますし、終了のホイッスルが鳴るまで全選手が気持ちを持って戦ってくれました。結果として1-2で敗戦し、技術的にも相手が上回った試合になりましたが選手たちは最後まで全力を尽くしてがんばってくれたと思います。リーグ最終戦の伊賀FC戦に向けて、しっかりと切り替えて臨みたいと思います。アウェーでの一戦になりますが、勝って今季のリーグ戦を締めくくりたいと思います。

◆有町選手のゴールで一矢報いた部分もありました。有町選手・小野選手の同時投入は監督の中で、事前にプランがあったのか教えてください
当然リザーブメンバーに入れていますので、試合の状況に応じて出場させたいと思っていました。状況としては追いかける展開でしたし、守備の時間も長かった部分も前半からありました。有町については、直近のトレーニングマッチで点を決め、得点感覚という部分に期待していましたし、小野についてもコンディションが上がってきているのが練習から見えていました。また、彼女たちはベテランですので、今までの経験がある分、試合展開に応じたプレーや途中から入っても自分の力を発揮してくれる、という点で期待を込めて投入しました。

 


<有町紗央里選手>

◆試合総括
前半ベンチから試合を見て、優勝するだけあるな、と感じながらも相手のペースも後半に入り落ちてきて、出場するチャンスがあれば、自分にできることを精一杯がんばろうと思っていました。
監督をはじめ、みんなの優しさもあり試合に出場させてもらいました。(同時投入の)小野選手とは「楽しもう!」と言いながら、ピッチに入りました。(得点については)坂井選手から良いボールが来て、いつもだとどちらに蹴るか迷うのですが、今までの想いも踏まえて、おもいっきり振りぬきました。忘れられないゴールになると思います。

◆現役生活最後のホーム戦となりました。どのような思いで試合に臨みましたか
引退を発表してから、多くの方々から「お疲れさま!」「最後まで楽しんでね」と温かいメッセージをいただきました。自分にできることは、泥臭くゴールに向かうこと。それに尽きると思っています。ゴールに向かうことだけを考えて、今日の試合に臨みました。

◆今日のゴールに点数を付けるとすると
私個人の意見として、こぼれ球をつめるだけでも、豪快なミドルシュートでも1点は1点と思っているのでゴールに対する評価は100点ですね。

◆あらためて、このチームの同世代や後輩たちに託したい想いはありますか
怪我が多く、試合出場も限られてしまった1年でした。最初は、試合に出て活躍したい!という気持ちが強かったのですが、外からピッチを見たときに、試合に出る選手たちの中で、課題の解決やモチベーションのコントロールなど若い世代の選手たちから発信している姿がだんだんと見え始めました。上手くいくことはばかリではなかったと思いますが、私自身も若いころ、そのような形で成長させてもらいました。
ここ数試合では良い試合もありましたし、二桁得点の浜田選手をはじめ、頼れる選手がチームの中で増えてきたと思います。若い世代の選手たちに、これからはチームを引っ張ってほしいと思います。

 


<小野瞳選手>

◆試合総括
前回の浦和との試合で、良い試合内容では無かったという点を踏まえて、気持ちを込めて試合に臨んでくれました。また、リザーブの私たちはベンチから試合を盛り上げつつ、自身の気持ちも高めていました。有町選手と同時投入ということで、こみあげてくるものもありました。勝つためにがんばるという一心でピッチに入りましたし、有町選手らしいゴールも生まれ、負けてはしまいましたが全員が戦う姿勢を示せたと思っています。

◆引退発表後、チームメートとは何かお話をされましたか
みんなが「寂しい」と寄り添ってくれました。まだ約2か月ありますので、ゆっくり選手たちと話し合えればと思っています。

◆後輩の選手たちに託したい想いはありますか
このチームは、全選手がみんなのことを思ってプレーしていますし、勝つためにどうすべきかを本気で考えあえる仲間です。若い世代の選手たちが今は多い中で、チームの士気を高める声がけなど、積極的におこなってほしいと思っています。

◆リーグ戦、皇后杯を控える中でどのような形で締めくくりたいですか
感謝の気持ちを込めて戦うのみだと思っています。そして、皇后杯はトーナメント形式の難しさもありますがユアスタで戦うチャンスもあります。サポーターの方もおっしゃっていたように、“ベガルタ”の名を記憶と記録に刻むためには“優勝”しかないと思います。想いを胸に、全力でがんばりたいと思います。

 


<隅田凜選手>

◆試合総括
前節で優勝を決めた相手に対して絶対に勝つ、前回の対戦でも負けてしまったので、ユアスタでプレーできる喜びをプレーで表現する、その思いを持って試合に臨みました。ですが、結果として負けてしまい、まだまだ力不足だなと、感じた試合でした。

◆“ベガルタ”の名を背負って戦う最後のホーム戦となりました。試合前に選手間で交わした言葉はありましたか
今週の木曜日に小野選手・有町選手が引退を表明されて、そこから色々な意味で実感が沸いたと言いますか、“ベガルタ”として戦う試合も残りわずかなんだなと。選手1人1人が色々なことを感じながら試合に向けて準備したと思います。またいつもとは違う、試合に向けた準備・モチベーションだったと思います。

◆試合のポイントとなった部分を教えてください
2失点とも、中盤の位置からドリブルで突破されたところから始まった失点。ゴールから遠い位置でしっかりとブロックしなければならないシーンでした。(1失点目と同様な形で崩されたので)2失点目は特に課題が残るシーンでした。

◆残りリーグ戦も1試合となりました。どのような形で締めくくりたいですか
絶対に勝って、皇后杯に繋げていきたいです。“ベガルタ”としての最後の大会になりますので結果を残すという意味でも優勝を目指していきたいと思います。