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4月3日(金)、株式会社ベガルタ仙台 取締役会後の記者会見議事録
掲載日:2026年4月3日
本日開催した、株式会社ベガルタ仙台 取締役会後の記者会見について議事録を以下の通りお知らせします。
株式会社ベガルタ仙台 代表取締役社長 板橋秀樹
お忙しいところ、ベガルタ仙台の取締役会後の記者会見にお集まりいただき、ありがとうございます。2025年度決算の確定、筆頭株主の変更、新役員体制の3点についてのご説明となります。
はじめに2025年度決算の確定についてです。2025年度の決算についてでありますが、スポンサー収入の減少分を、入場料収入の増収などで補い、試合運営などの経費を中心に全社を挙げて経費削減に取り組みました。その結果、営業損失は予算比6400万円を圧縮し、1億3600万円となりました。なお、野村クラブハウスの解体にともなう特別損失の計上もありまして、税引き後の純損失は1億4800万円となり、4期ぶりの赤字決算となりました。
次に筆頭株主の変更についてです。本日の取締役会におきまして、当社株式の既存株主間における譲渡承認を決議し、主要株主の移動により、アイリスオーヤマ株式会社の保有する当社株式の議決権比率が3分の1を超え、筆頭株主となる見込みとなりました。本件に伴い、当社はアイリスオーヤマの関連会社となる見込みでございます。背景や方向性、アイリスオーヤマと目指す具体的なパートナーシップ等に関しましては、リリースをご覧ください。
最後に、新役員体制です。本日の取締役会におきまして、代表取締役の異動、新役員体制について内定の決議をいただきました。私は32年間続きました自治体筆頭株主体制から企業主導型の株主体制に変更することが決まったことから、新しい経営体制に移行することが適切と判断し、4月22日定時株主総会終結の時をもって、退任をいたします。また、東北電力宮城支店長であった渡邊隆夫氏も人事異動のため、3月31日付けで辞任をされております。それに伴い新たな取締役としてアイリスオーヤマの大山晃弘社長、前アイリスチトセ専務取締役の阿部静雄氏、元アイリスオーヤマ取締役で元ベガルタ仙台取締役の石田敬氏、東北電力執行役員宮城支店長の市川秀徳氏、以上4名の取締役を選任するための株主総会議案を決議いただきました。後任の代表取締役社長に北畠泰之専務取締役が就任し、その後任の専務取締役に、新たな取締役に選任される予定の阿部静雄氏が就任する新役付役員の内定を決議いただきました。説明は以上です。
質疑応答
-株式譲渡の話が出てきた経緯や時期について
代表取締役社長 板橋秀樹(以下、板橋) クラブは開設以来、32年目に入っておりますけれど、その間、設立当初、いずれのクラブもそうであるように、運営のための資金集めというのに苦労されますので、我々の場合も宮城県、仙台市という自治体が筆頭株主となるという、複数の企業様と自治体などが共同で出資をして、設立をするという、そういう形態で始まっております。
以来32年間、活動しておりますが、東日本大震災であったりコロナ禍であったり、経営環境は厳しい状況に幾度も見舞われてきたところであります。また、債務超過に陥ったところもあります。大幅な減収をしたという過去もあります。非常に経営上の難しい局面を乗り越えて今日までやってきたという状況です。経営環境は、地方のクラブはどこでもそうでありますけど、なかなか厳しいという共通の課題がありまして、たびたびそういう収支の悪化を乗り越えるために多大な苦労を強いられてきたという経過があります。コロナ禍で債務超過に陥った際にも、いわゆる中心となって支えていただく大手の企業さま、「責任企業」といった言い方をしますけれども、これを持たない我々にとってはそれが大きな課題であるという認識は残っております。
昨年度の決算は、1億円を超える赤字となっております。この収支構造を抜本的に改革しませんと、再び債務超過となるおそれも出てきてしまうという危機感が高まっていたことが背景になります。いわゆる責任企業による経営の転換というのは、長年の懸案事項であったということは言えると思います。J1昇格を目指して、事業規模の拡大をしていかなければいけないという将来の展望に立った上で、この現下の状況を鑑み、今こそその転換の時であるという大きな時代認識、危機感が高まり、今般宮城県、仙台市を含めた主要株主が、共通の認識に至って、こういった株式の持ち株比率の変更、筆頭株主の変更という大きな経営上の決断に至ったものである、ということでございます。
-そういった状況から最終的にクラブの方から株主側へ、あるいはアイリスオーヤマの側へ譲渡を働きかけたのか、県や市なのか、他の株主か、発信したのはどちらか
板橋 株式会社上の手続きとして、会社の経営方針をどうするかというのは、正式には株主総会にありますけれども、実態としては取締役会という、いわゆる議決権の過半を有する主要株主、大株主のみなさまで構成される取締役会というところで大きな決断をしていただくということになります。実はこういう経営上の難しい課題というのは長年の懸案でありまして、この間の危機的な状況に際して、主要株主のみなさまのご協力によって、なんとかそれを乗り越えてきたという歴史があります。そういう過程で、我々の置かれている状況、また昨今の他の地域のクラブもいろいろ経営環境が変わって、様々な変化が生じている。そういう時代状況の変化も当然みなさん共通認識になっている中で、この今までのやり方、この体制でこれから本当にやっていけるのかというところの認識は、徐々に高まっていくということが背景としてあります。
直近でも様々な動きがあるのは皆さんご承知の通りです。J2で長く活動していたクラブも、いわゆる親会社の資金導入によって、競争力を高めてJ1に上がっていくケース、逆に親会社の撤退によって、事業規模を縮小せざるを得なくなってJ2、さらにはJ3に落ちてしまうケース、中には本当に外国資本の支援を得て、V字回復を図っているクラブも、さまざまあります。
Jリーグは設立から30年を過ぎて総括をしております。ポイントとしますと、Jクラブを60クラブまで拡大をするという当初の目的は成した、日本代表の強化というのも世界の強豪に伍すという成果まで達した。その中で次の30年、次の10年を展望した時に何をするべきか。やはりヨーロッパが中心で、世界のトップを走っております。追いつくためにJクラブ全体がバージョンアップをしなければいけない。具体的に言えば、特に我々地方クラブも含めた、ライセンスを受けている60クラブ全部に対して、今後の10年間で、売上高、事業規模を1.5倍から2倍にするという非常に高い目標を掲げております。
事業規模の拡大については、従来から課題になっておりますけれども、各クラブの置かれた状況というのは様々であります。それぞれの実情に応じてどうやって自分たちの生き残り戦略を探るかという非常に厳しい選択を迫られている状況です。外資の力を取り入れるものもあれば、あるいは、大手のIT企業のご支援を得てやっていくところも。お隣の県では、町作りというのでしょうか、デベロップメント専門の会社が親会社になっています。そういう、いろいろな形が起きています。
シーズン移行という大きな節目で、それを出発点として今後、いわゆる事業費の拡大競争が本格化する。これが今、我々が目の前にしている状況であろうと思います。この中で、今までのやり方では、「本当にこのままでやっていけるのか」という危機感が高まり、その中でいわゆる主要企業間のいろいろなコミュニケーションの中で共通認識に至った、ということであります。
もちろんそういう認識自体は、昨日今日の話ではない、先ほども申し上げました長年の懸案でありましたが、受け手をどこにするのかというのは非常に難しい。他のクラブもそうでありますけれども、巨大資本に受け手を引き受けていただくというのは、もちろん目標なのですけれども、資本の論理の中では、ずっと応援していただくところもあれば、目的によっては、比較的に短い機関で、撤退をするというケースももちろんあります。経営が不安定化することによって、やむなく、事業の縮小に至るケースもあります。我々が理想とするのは、安定して、しっかりとした経営基盤を持ち、かつ我々に十分な理解とご協力をしていただける企業に引き受けていただくのが我々にとっての理想であります。そういう中で長くご支援をいただいたアイリスオーヤマさまが、大きな企業経営上の決断をされたと思いますけれども、今回このような株主間の事業譲渡について、お引き受けをいただくというご判断をいただいたものと考えております。
-北畠新社長(※原文ママ)にうかがう。アイリスオーヤマの関連会社化ということを踏まえ、どういうクラブを目指し、どう収益拡大をはかるのか
専務取締役 北畠泰之(以下、北畠) ご質問ありがとうございます。大変申し訳ないのですけど、私は社長就任の内定の決議をいただきました。正式には4月22日に、ご承認いただければ就任させていただくということでございます。新社長に対することは、4月22日以降でお話ししたいと思っております。
-今回、株主議決権比率1/3を超えたということで、関連会社化、筆頭株主化ということだが、他のJリーグのクラブでは、子会社化というか、議決権の過半数を超えての親会社化という潮流もかなり出ている。どういった話し合いの流れから、親会社まではならずに、筆頭株主化に落ち着いたか。とういった判断や話し合いがあったのか
北畠 ご質問ありがとうございます。今回、アイリスオーヤマさまの比率が 1/3になるということで、売買の個別の契約内容は差し控えますが、譲渡される方のご意向を確認させていただいて、その方々のトータルが、この割合になりました。
-親会社化ではなく筆頭株主化というところで、具体的に今後、親会社になるケースと、筆頭株主になるケースとで、どういった違いがあるのか。株式会社ベガルタ仙台として、どういった地位を維持し経営されていくのか、展望は
北畠 50%を超えると、私どもがアイリスオーヤマさまの子会社ということになります。まだそこには至っていないということでありますが、重要な影響力を持つ筆頭株主になりますし、同時に取締役の就任、4月22日以降に、そのアイリスオーヤマの大山社長が、私どもの取締役として一緒になっていただくところでございます。非常に強固な関係性ということになります。親会社だからとか関連会社だからとかいうことではなく、アイリスグループの一員という思いで、しっかりと経営をしてまいりたいと思っております。
-過半数超えのグループ化というところで、具体的な時期は
北畠 ご質問ありがとうございます。今は何も詳細は決まってございません。
-北畠取締役としてコメントをいただきたい。サポーターや選手、スポンサーなどさまざまな関係者とこれからも良好な関係を築いていくべきだが、今後どういった関係性を築いていきたいか
北畠 良好な関係を築いていきたいと思っております。パートナー企業、今回の大きな変更は、自治体筆頭株主体制から、アイリスオーヤマさまの筆頭体制となりますので、これまで同様のパートナー各社さま、サポーターのみなさま、ステークホルダーのみなさまと良好な関係を築いていきたいと思います。そこにアイリスオーヤマさまの経営リソースですとか、ノウハウですとか、ネットワークも融合させていただいて、より良い関係を築かせていただければと思っております。
-SNSに掲載されていたコメントでも、一部のサポーターからさまざまな意見が見られた。地域に必要とされるクラブであり続けるため、取締役としてサポーターとはどう向き合っていきたいか
北畠 サポーターのみなさまには、非常にこのクラブを32年間、本当に育てていただいたという思いは強いです。すばらしい応援をしていただき、ぜひ続けていただきたいと思っておりますし、ライトユーザーといいましょうか、新しくファンになっていただく方も、もっと増やしていきたいという思いもございます。
-ライバルクラブであるモンテディオ山形は、板橋社長からも話があったが、エスコンの親会社体制で変わっていく中、仙台はアイリスオーヤマが入った。競争力を高めていく上で、何が大事になっていくと思うか
北畠 これは企業としての経営というのがあり、まずは株式会社でございますので、前期の1億5000万円近い赤字がございましたので、そこの財務面をしっかり立て直して、競争力が一番大事なので、債務超過も経験をしていますので、このクラブがなくなってはいけません。そこがもう一番の優先です。あとは興業としてみなさんに喜んでいただける、みなさんにベガルタを応援していただける施策を、アイリスさんと一緒に、取り入れていきたいと思います。
-宮城県にとってこのベガルタ仙台というチームはどうあるべきか
北畠 板橋社長からもありましたが、森山(佳郎)監督もおっしゃっていますけど、やはり地域のみなさんに愛されるクラブ、そこは本当に大事なことだと思っています。震災のときに、「希望の光」ということを謳って、困難を一緒に乗り越えたといいますか、そういう経験値のあるクラブでございますので、地域の方に愛されるクラブというのを引き続き目指していきたいと思っています。
-今回は株式の比率の変化に伴って、ベガルタの側から打診したのか、それともアイリスさんからなのかというところを確認したい
北畠 打診ということではございません。もともとご要望はこの長い32年の中でいただいている部分もございます。我々が個別に斡旋をしていくということではなくて、ご意向を確認させていただいたというところです。
-決算のところで、今回1億5000万円近い赤字ということで、どう考えているか
北畠 3季連続黒字のあとに、1億5000万近い赤字ということで、非常にそこは厳しい状況だと考えております。債務超過から3季連続黒字で、ある程度立て直しができたという中で、今回の大幅な赤字ということでございます。また債務超過のおそれが出てきているということになっております。ここでしっかり立て直したいと、今回のことを踏まえて考えております。今回の筆頭株主の変更もその大きな要素のひとつになっております。
-自治体が筆頭株主ではなくなるということで、市民クラブではなくなると、これまでのクラブの歴史を振り返ると、大きな転換点と思われる。どう考えているか
北畠 これまでの地域に必要とされて、愛されて、応援していただけるクラブを目指して、ホームタウンの全35市町村で活動させていただいておりますので、いわゆる責任企業が誕生したからといって、市民クラブではない、という感覚はございません。引き続き地域のみなさんと一緒に宮城を盛り上げていきたいと思っています。狭義の、「自治体筆頭が市民クラブだ」という方もいらっしゃるかもしれないですが、私はそうではないと思っております。
-板橋社長に。あらためて、退任理由についてお聞かせ願えるか
板橋 地方クラブとして32年間、自治体の県と市が筆頭の株主で、地元の企業の方々をはじめ、多くの方々のご支援をいただいてやっていくというやり方から、今回、J1のチームはほとんどそうでありますけれども、巨大資本をお持ちの、極めて強い経営力をお持ちの企業様が先導するかたちで運営する、いわゆる企業主導型の株主構成に大きく転換をするということです。ベガルタの歴史の中で大きく、時代を画する転換点だと思っています。新しい経営方針、経営体制というのは、先程来お話のある、より日本の中でも、実績と知名度、そして非常に優れた経営力をもって有名なアイリスオーヤマさまが主導されますので、そのアイリスオーヤマさまの考え方を中心に効率化を図っているというかたちになります。大きな経営体制の転換にあたりまして、運営体制についても新しい体制に引き継ぐことが当然であると考えまして、今回退任をする判断に至ったわけでございます。
-先程の取締役会で、この筆頭株主変更につきまして、方針に異論など発言は
板橋 今回の件について、特に異論というものはございませんでした。事前に議案の内容というものは、当然ながら説明をさせていただいておりますので、本日の会議においては、そういうご発言もありませんでした。
-板橋社長に、在任期間を振り返って、成果や手応えを感じられたこと、あるいは心残りや課題だったことを伺いたい
板橋 3年間という比較的限られた期間の在任ということになります。もちろん、私自体は、サッカーの運営会社の経験がまったくございませんので、いわば、3年前に就任したときに託されたのは、やはり、トップチームの成績を回復させるということ、それに必要な健全な財務基盤を確立させること、それが一過性で終わらない、長期を安定して戦える、そういう体質を作り上げるというミッションであったと思います。
まず、現状について、当時の私はいろいろ分析をいたしました。大きく必要な課題というものを抜き出していくだけでも、実は山のような課題があったというのが実感であります。それを解決するためのいろいろな手段手法というのはあるわけではありますけれども、株式会社でありますので、課題の大きさに対して必要な解決手段、生産要素というものを用意をして、その課題解決に取り組むということは組織運営の基本になりますけれども、実態とすると、それなりに限定される経営規模であったこともあり、また長年、いわゆるゲームビジネスという、ホームゲームの実施をおこなうにあたって必要な人員、ノウハウという、ある意味特化した組織体制と最低限の人員配置というところで運営してまいりましたので、課題解決のためには新しいアイデアで、新しい手法で踏み込むといったような、新分野開拓あるいは新しい観点での事業の取り組みというのも必要なのですけれども、それに向けて必要な生産資源というのは非常に制約が大きい、一般的には、ヒトモノカネ、時間、情報、ネットワーク、ノウハウ、信用、いろいろな要素、有形無形の生産資源が必要でありますけれども、課題の大きさに比べると、必要な生産資源というのは非常に制約が多いというのが、印象であります。
そういう中、目の前の課題をひとつずつ切り崩していかないといけないというところになりますので、重点化をしていこうということが必要になります。最初に取り組んだのは、当時すでに予定をされておりましたが、老朽化して手狭になっていた、クラブハウスを大きく更新をするという課題、それから、天然芝の専用グラウンドを整備するという課題がもう当時既にありましたので、環境整備に着手をし、東北学院大学さまのご協力をいただいて、天然芝のグラウンド、新しいクラブハウス、そして、大学の方に提携させていただきました、人工芝の新しいグラウンド、そういった整理を最初に取り組んだところであります。
次にそれを使って、いわゆる人材育成、森山監督に就任をいただいて、実はその前にゼネラルマネージャーとして庄子春男さんというレジェンドの方においでいただいたというのも、長期的戦略を立案して、我々の置かれている現状と、あるべき成長戦略というのを、リーグの歴史とともに本当に初期の段階からすべてのクラブの教務運営に携わってこられた、また強化の責任者として七度の日本一を経験されている、本当にサッカー界でレジェンドの方ですけれども、この方とこれからの経営方針を定めまして、先程申し上げたとおりに、まずは環境整備をすること。そして、指導者として若手の育成に長けた方を招聘して、いわゆる人材育成型のクラブに舵を切る。短期ではなく、比較的長期を見据えて積み上がるようなクラブの体質改善をする、ということになりました。
クラブハウスや天然芝グラウンドの整備に合わせて、若く有望な選手を全国から集めてくるというような、そういう取り組みもします。これは強化部にそれなりの目利きの方々がいらっしゃって、今トップチームで活躍している若い選手の多くは、そういう方々が発掘をしてきたという選手も多いです。
合わせて長期戦略を立てる以上は、また人材育成型に舵を切った以上は、トップチームだけではなくてアカデミーの強化というのも必要であります。昨年もクラウドファンディングもおこないましたけれども、トップチームとアカデミーの連動というところに力を注ぎまして、アカデミーの出身の選手がトップチームに昇格をするという例が、確実に増えてきております。
アカデミーも、ユース年代のトップカテゴリーリーグであります、プレミアリーグというものに、ベガルタ史上初めて昇格するという実績もあげております。アカデミーも、確実に長期的な視点に立ったクラブの底上げというのは図られてきたかなと思います。
一番難しいのは、先ほどから言わせてもらっておりますけれども、こういう厳しい状況の中で、トップチームの選手のがんばりをしっかり支えていくための安定した財務基盤の確立というところです。我々も経営体の中では、当然ながら収益基盤の多角化というものは、どこのクラブでも取り組んでいます。ゲームビジネスのカテゴリーをアップするというのが基本ではありますけれども、合わせて近年広島、長崎、あるいは札幌のエスコンなどもそうですけれども、スタジアムを整備して、そのスタジアムをもとに収益の多角化を測る、いわゆるスタジアムビジネスというものが、注目をされております。そういうものに道筋をつけるべく、ベガルタとしては初めてということになるのですけれども、スタジアムでありますユアテックスタジアム仙台の指定管理者の応募をしまして、結果、採用されることにもなりました。それを受けて、さらに我々自体が単に施設管理にとどまらず、スタジアムを中心とした地域の活性化の担い手になるべく、様々な取り組みを現在おこなっております。街作りの担い手として、我々の地域に必要とされている、このフレーズに合致するような、具体的な形を少しずつ作れているかなとは思っています。
一番の課題であった財務基盤、責任企業の獲得というところが今回の一番のテーマでありまして、それによって、ラストワンピースがなんとか獲得できる道筋がついたのではないかなとは自分なりに考えております。以上です。
-北畠専務が社長になる背景を教えていただきたい
板橋 取締役の人事権については、取締役会、主要株主が協議して決めるということであります。私自身はその選定に関わっておりませんので、本来お答えできる立場にはないのですけれども、これまで長くベガルタの実務に携わってきたという5年4か月で、内情をよく知っているという点、あるいは、先程来お話があった、経営が非常に厳しい時に財務面の管理をおこなってきたという経験、こういったものが、これからの新しい体制の中で適任と判断されたと、そういうことではないかなと、私としては受け止めております。
-2月に「経営ビジョン2035」を策定されている。引き継ぐというよりは一旦白紙になるというような理解で良いか
板橋 ビジョン自体の、取締役会で決定をいただいている。クラブとしての長期の経営ビジョンであります。もちろん、形態が変わったことによって、ビジョン自体を見直していく可能性はもちろんあります。
ただ、変わらないところもあろうかと思います。掲げている、目指す目標というものは、ご覧になった方はお分かりかと思いますけれども、トップチームが、この歴史も踏まえて、日本の頂点を目指して、戦い続けるという、そういうトップチームのあるべき姿や、あるいは、我々自身が経営を健全化させていって、いろんな社会課題の解決に貢献するという、先程申し上げましたように、必要とされ、愛されるクラブになるということ。さらには、震災の記憶の中で、我々がサッカーチームとしてできることはなんだろうという、非常に迷った中で、手探りでやるその一つの到達点として、我々ができるサッカーに打ちこむことで、困難の中にある人に、「希望の光」と思っていただける、それに気づけたということは、我々の財産でもありますし、また、将来に向けての使命でもあろうと思っております。こういったところは、経営形態が変わっても、まったくなくなるとは、ちょっと考えにくいかなと私は思っておりますけれども、もちろん、目指すべきところが大きく変わらないとしても、それに至る道筋というのは、当然、事情なり、ご判断によって、変わってくると思いますし、先程申し上げた、収益構造の多角化という観点についても、これまでの制約の中でできる最大限というところで導いておりますが、経営資源が大幅に拡大することによって、ほかの手段、ほかの可能性というのは、当然広がってくるだろうと思いますし、それを大きく期待をしていくというところであります。
-筆頭株主のところで、議決権比率が1/3くらいという記載ですけども、これは、いわゆる出資比率が、保有株式比率とイコールということでよろしいか
北畠 そのとおりです。
-アイリスさまの出資は、何%くらいか
北畠 個別は公表しておりませんので、差し控えさせていただきます。
-板橋社長は、任期が一年残っていたというところでの退任ということでよろしいか
板橋 任期というか、大体2年のサイクルでとどめております。ただ、過去の事例を見ますと、2年といった区切りでお辞めになった方もいらっしゃいますけれども、そうでない方も多数いらっしゃいますので、そのときの事情によってということになろうと思います。
-今後の過半数でのグループ化を視野に入れるというのは、具体的にどういうことを指していることになるか。
北畠 その表現ですと、過半数を超えて、グループ化ということになります。
-関連会社化とグループ化というのは、厳密に区別しているわけではないのか
北畠 明確には線引きはないのですけども、関連会社というのは、会社法に基づく(会社計算)規則上の定義でございまして、今回1/3を超えると、この規則に基づいて、関連会社化という表現になります。
-細かい確認ですが、今までの筆頭株主は宮城県と仙台市ということか
北畠 そうです。